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恋愛小説

【恋愛小説】人気者の彼は移り気…⁉イケメンな彼との社内恋愛録。-第3話-

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「田島さぁん。これ、どうですか?」

今日も美貴ちゃんの甘ったるい声が聞こえてきて、思わずキーボードを打つ力が強くなる。彼女と智洋くんの疑惑の姿を目撃して、今日で三日目。

相変わらず彼女の“媚売り”は健在だ。智洋くんに真意を聞きたいところだけれど、彼の仕事が忙しく、それはできないままでいる。

明日は土曜日で休みだから、そのときに聞いてみようと決めていた。

「美貴ってば、恥ずかしくないのかな? 田島さんは先輩とはいえ、上司じゃないでしょ? 業務の質問は、せめて課長にしないと」

ちらっと見ると、呆れた顔をしている綾子に、私は内心の焦燥感を隠して答える。

「よっぽど田島さんを気に入ってるのよ。でも、特にこの二、三日はすごいね」

「ほら、田島さんを呼び出した頃からじゃない? まさか、本当に二人は付き合ってるとか?」

綾子の突拍子もない言葉に、私の手は止まった。

「ま、まさか。そんなことは、ないんじゃない?」

「どうして? だって、田島さんもまんざらじゃなさそうだし」

そう言われて彼を見ると、たしかに笑顔で対応している。でも智洋くんの場合は、それが基本だ。そもそも、誰にでも優しく接していく。

「普段と変わらないと思うけど」

「そうかなぁ? もし美貴が迷惑なら、さすがに嫌なオーラくらい出すでしょ?」

「う、うん。そういわれてみれば……」

綾子の言うとおり、彼の態度は美貴ちゃんに誤解すら与えるかもしれない。あの日、応接室でどんな会話がなされたのだろうか。それがわかれば、もっとスッキリするのだろうけれど。

今夜、智洋くんのマンションへ行ってみようかな。でも、ケンカしたまままともに話をしていないし、かなり気まずい……。

 

彼のマンションの合鍵は、貰っていない。だから、智洋くんが帰ってくるまで待っていないといけなかった。

今夜はなんて、肌寒い夜なのだろう。ストールを羽織り直し、ロビーの入口で立っていると、智洋くんが帰ってきた。私がいることに驚いている。

「七海、ここにいたのか⁉ 電話しても出ないから、気になってたんだ」

「え? 電話?」

慌てて鞄からスマホを取り出すと、たしかに智洋くんからの着信があった。マナーモードにしていたせいで、気づかなかったらしい。

「ごめんね。電話くれてたんだ……」

「そうだよ。話がしたかったから。とりあえず、中に入ろうか?」

彼に優しく背を押され、ロビーへ入る。そして、部屋へ向かった。

智洋くんは私をソファに座らせると、隣に腰を下ろした。

「じゃあ、七海の話から聞こうか? 待ってたくらいだから、大事なことなんだろう?」

静かでゆっくりとした口調に、私は少しずつ口にした。

「美貴ちゃんのこと。四日前に応接室で二人きりだったとき、なにをしていたの?」

緊張しながら智洋くんの反応を見ていると、彼にフッと笑われた。

「そのことを気にしてたのか。彼女には、告白をされたんだよ」

「や、やっぱり⁉ それで……?」

「断った。あたり前じゃないか。だけど、どうやら彼女は周囲に、俺と親密な関係になれそうだと言っているみたいなんだ」困

り果てたような顔をした彼は、私に視線を重ねた。

「七海の言うとおりだった。早く、お前との関係を話すべきだったな」

「あ……。この前のことは、ごめんね。智洋くんの気持ちも考えず、一人で騒いで……」

やっと謝れたと、ホッとする。美貴ちゃんの存在に振り回されすぎたかもしれない。すると、智洋くんは私を優しく抱きしめた。

「こっちこそ、ごめん。冷静に話したほうがいいと思って、少し時間を置かせてもらった」

「そういうことだったんだ……。なんだか、少し疑っちゃった。本当にごめんね」

彼が、誠実な人だとわかっているのに、それを信じきれなかった自分が情けない。そんな思いも込めて、智洋くんの背中に手を回す。

彼の温かい背中と、甘い香りを感じられて、静かに目を閉じた。

「七海を不安にさせた俺が悪いよ。きみの気持ちを、もっと大切にしないといけなかったのに」

「ううん。ワガママを言った私が悪いから。だって智洋くんは、仕事が落ち着いたら話そうと思ってくれていたじゃない……」

それなのに、美貴ちゃんの露骨な彼へのアピールに、私が焦ってしまっただけ。ドンと構えていればよかったんだ。

「ワガママじゃない。七海の気持ちは嬉しいから。俺こそ、わかってあげられなくてごめん」

さらにギュッと抱きしめられ、心のモヤモヤが取れていく。今夜は会いにきて、本当によかった。

「もういいよ。私はちゃんと待ってるから。みんなに私たちの関係を話すのは、落ち着いてからで大丈夫」

「ありがとう。ただ、今回は俺も反省した。だから、オープンにしよう」

「え? でも……」

あれだけ、業務のことを気にかけていた彼が、急に態度が変わったことに違和感を覚える。それほどに、気を遣わせているのだろうか。

「いいから。それより、明日は休みだし、今夜はここでゆっくり過ごさないか?」

耳元で囁かれ、私は小さく頷いた。彼との甘い時間は、付き合ってから二度目になる。

やっぱり、好きな人の温もりを感じられるのはなにより幸せ。私たちは、どちらからともなく唇を重ねると、ベッドルームへと向かった。

 

 

<つづく>

 

次回、2月3日(日)20時にいよいよ最終話を更新!

一体どんな結末になるのか、ぜひお楽しみに…♡

 

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