壁際にはリクエストカードとペンが用意されていて、男性は右側、女性は左側でそれぞれ気になった人の名前を一人書く。そして婚活パーティーのスタッフに手渡して終了。
十分後、リクエストカードの発表会となる。スタッフがマイクを通じて、両想いになった男女の名前を読み上げていく。そのたびに歓声や残念そうな声が会場に響き、盛り上がる。
呼ばれた男女はステージに上がって行く。
先輩はめでたくお目当ての男性と両想いになれて、はしゃぎながらステージに共に上がった。
――うん、コレで私の今夜の役目は終了ね。
「それでは最後の一組になりました!」
どうやら一番人気の彼の発表は、後回しにされていたようだ。ガッカリする女性が多いだろうから、気を回したんだろうな。
「男性の名前は光源司輝人様! 女性の名前は……」
どんな女性が選ばれたんだろう? アイドル系の美少女かな? モデル系の美女かな?
私は他人事ながらも、彼のタイプの女性を知ることにワクワクしていたのだが……。
「桐花美咲様です!」
「へっ……? 私?」
「きゃ~っ! ヤッタじゃない、美咲!」
先輩がステージ上で大はしゃぎをして、喜んでくれているものの……私は呆然。
他の参加者の視線を一身に浴びているせいか、身動きが全くとれない。
そんな私に、彼は優雅な足取りで近付いて来る。
「嬉しいよ、美咲。俺を選んでくれるなんて」
「えっ……? ええ、まあ……。素敵な人だと思ったので……」
私は引きつった笑みを浮かべながら、こう答えるしかない。
――まさか選ばれないことを前提に、名前を書いたなんて今更言えない。絶対に。
「それじゃあ一緒にステージに上がろうか」
彼は私の腰に腕を回し、もう片方の手で私の手を引く。
周囲から女性達の甲高い声が上がるも、彼は平然と私をエスコートする。
「良かったわねぇ! 美咲!」
先輩は本当に嬉しそうだから……、良い事なんだと思い込む。
「それではめでたくカップルになった方々には、ご用意しましたこのホテルのルームキーをお渡しいたします。どうぞごゆっくりお過ごしください」
スタッフが満面の笑顔で言った言葉に、目の前まで真っ白になる。
……ホテルのルームキー?
どういうことか聞いていなかった私は、隣で男性と身体をくっつけている先輩に視線を向けた。でもお酒が入っているせいか、場の空気にのみ込まれてしまったせいか、こちらに視線に全く気付いていない。
「それじゃあ美咲、行こうか」
スタッフから受け取ったカード型のルームキーを私に見せながら、彼はにっこり微笑む。
ここで逃亡するほど、私は勇気が無かった……。
<第4話へ>
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