「佐藤課長って、いつ見ても素敵よね」
課長がオフィスを出ていく姿を眺めながら、目を輝かせているのは同期の弥生(やよい)だ。私たちが勤める大手IT企業のシステム開発部では、今注目されている男性がいる。
それは、佐藤渉(わたる)課長。二十九歳という若さで、システム開発部で課長をしている人だ。この会社で課長を務めるのは、平均で四十歳前後。だから、彼がいかにエリートかが分かる。
ただ、彼の魅力はそれだけでなく、長身で知的なルックスにもあった。黒縁メガネの奥の涼しげな目元は、彼のクールな性格を顕著に表していた。
「たしかに、素敵ね。弥生は佐藤課長を狙っているの?」
「まさか。相手にされてないのは、自覚してるから。佐藤課長って、本当クールよね」
「そうかもね。じゃあ、弥生。私は、会議室の準備に行ってくるから」
素っ気ない返事を彼女に残し、足早にオフィスを出る。向かった先は、フロアの最奥にある会議室だ。午後から役職者の会議があるとかで、テーブルの配置を頼まれていた。部長からは、私一人が頼まれているのだけれど──。
「朋花(ともか)。やっと来た」
会議室で待っていたのは、“佐藤課長”。私の秘密の恋人だ。
「渉さん、もしかして、セッティングしていたの?」
「そうだよ。俺のほうが慣れてるから。それに、社内で密会なんて、なかなかできないだろう? 朋花に触れたくてさ……」
そう言った渉さんは、私の腕を掴み強引に引っ張ると、唇を重ねた。そして、ざらさらとした舌を、無遠慮に口腔内へと押し込んできた。
「んぁ……。んふぅ……」
強く舌を絡められ、私の唇は彼の唾液で濡れていった。私たちは、三カ月前から、彼の告白がきっかけで付き合っている。
だけど、周囲には秘密の関係。なぜなら、知られてしまっては、同じ部署にはいられないからだ。それと、仕事に影響するから。
「人目を盗んでこんなことするなんて、ゾクゾクするよな」
「もう……。渉さんってば」
クールで知的なイメージの渉さんから、こんな姿を誰が想像できるだろう。私にしか見せない彼の“男”としての姿に、ときめきを覚えてしまっていた。
「朋花だけが知ってる、俺の素顔だろ?」
渉さんはさっとメガネを外すと、それをテーブルに置いた。メガネを外すと、切れ長の鋭い眼光がより際立ち、ドキッとしてしまう。
彼のこの簡単には人を寄せ付けない雰囲気が、社内では人気だった。なかなか手の届かない人に思えて、逆に追いかけたくなるらしい。
「今日の渉さんは、どんな素顔を見せてくれるの?」
「これ……」
彼は腰を下ろすと、私のスカートの下へ潜り込む。そして、ショーツを足首まで脱がすと、茂みに顔を埋めた。
「やぁん……。渉さん、ここ会社……」
「知ってる。もう昼休憩になってるから、問題ないだろ」
そう言って彼は、温かい舌で蜜口の割れ目を舐めていく。時折先端で蕾を突かれ、蜜がすぐに溢れ出した。
「あふぅ……。んふぅ……。んぁ……」
堪らず喘ぐ声が出てしまい、慌てて両手で口を覆う。渉さんの舌は膣内へ侵入し、中を掻き回すように動いていた。
「んはぁ……。っくう……。うふぅん……」
蜜は太ももを伝って、彼はそこも舐めている。
「あはぁん……。渉さん……。もう、だめぇ……」
体が疼いて仕方ない。このまま続けられると、彼のモノが欲しくなってしまう。すると、スカートから顔を出した渉さんが、立ち上がった。
「感じた? 俺も。だって、一週間ぶりだもんな」
彼はそのまま、私の首筋にキスをする。優しく吸うようなキスをされ、ぞくっとした。渉さんは先週いっぱい出張に行っていたから、実はここで一週間ぶりに顔を合わせる。私だって、久々の彼の愛撫がたまらなく気持ちいい。
でもここは、午後から渉さんたちが会議をする場所だから、これ以上することに戸惑いもあった。とはいえ、私の太ももに当たる硬いモノが、彼の反り立った欲望だと分かり、理性が崩れていきそう。
ズボンの上からでもはっきり分かるくらいの彼の欲望を、鎮める方法なんて一つしかない。
「朋花、挿れるよ」
「でも、大丈夫なの? 午後から会議でしょう?」
セックスのあとの艶かしい匂いが、部屋を満たすのではないか。そんな心配をよそに、彼は私のブラウスの下へ手を滑り込ませた。
ブラのホックを外し、支えを失った乳房が揺れる。渉さんは乳房を覆うように掴むと、大きく揉みしだいた。
「っくう……。んぁ……。ふぅん……」
「大丈夫。ちゃんと空気は循環してるから。それに、ここは防音だから、少しは大きな声を出しても、外に漏れないよ」
彼は胸に顔を埋めたかと思うと、乳房の先端に舌を這わせる。ペロリと舐めたあと、優しく甘噛みをした。
「んふぁ……。んん……。んくぅ……」
両乳房をしゃぶられ、蜜が足を伝い流れていく。壁に背をつけて、渉さんの愛撫に応えていると、ベルトが外される音がして、蜜口に硬い感触を覚えた。
「やぁん……。渉さん、本当に挿れるの……?」
「あたり前だろう? 俺のここ、お前の膣内(なか)に挿れたいって、反り返ってる」
耳元で囁くように言った彼は、躊躇なく硬くて太い屹立(きつりつ)を膣内に押し入れた。
「んふぁ……。んくぅ……。あぅん……」
私の左足を持ち上げながら、彼は屹立を上下に動かす。そのたびに、彼の棒と私の膣が吸い付き合っていた。
肩で息をする渉さんは、腰を振りながら唇を塞ぐ。
「んぁ……。んぅ……」
「朋花……。お前の膣内(なか)気持ちいい。今日は、いつも以上に締まりがいいな。俺のモノに絡みついてくる」
「やぁ……。恥ずかしいことを言わないで」
「恥ずかしいことじゃないだろ。お前の感じてる顔、可愛いな。朋花より可愛いと思う女性は、俺の周りにはいない」
「渉さんってば……。あぁん……!」
さらに激しく肉棒を突きつけられ、子宮の中に鈍い痛みが走る。ぐちゅぐちゅと、擦り合う音が速くなり、渉さんの顔が少し歪んだ。
「んっ……。あ……、朋花。イキそう……」
「はぁ……。はぁ……。んふぅ……。んぁ……!」
彼は私のお尻を掴み、さらに腰の振りを速める。ぐちゅぐちゅという蜜の溢れ出る音とともに、私たちはお互いの欲望を満たし切った──。
<第2話へ>
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