ふと目を開けると、ベッドに座り本を読んでいる渉さんが見えた。いつの間にか、寝ていたらしい。声をかけようかと思っていると、彼が気づき本を閉じた。
「朋花、目が覚めた? ぐっすり寝てたけど」
「そんなに……? 気づいたら寝てたみたい」
彼好みの海外作家の小説のようだ。それをサイドテーブルに置くと、私に覆い被さるようにキスをした。
「んぁ……」
遠慮なく舌が入ってきて、強く絡められる。彼の唾液が口の中に広がった。
「んふぅ……。んはぁ……」
会社でもお風呂でも、あんな濃厚なセックスをしたのに、まだ体が疼いてしまうから驚く。すると、彼は部屋着の上から乳房を撫で回した。
ブラジャーをつけていないから、服の上でもしっかりと彼の手の感触が伝わる。
「朋花は、いやらしいな。あんなにセックスをしたのに、もうこんなに硬くして……」
「んふぁ……。んん……」
服の上から乳首を摘まれ、それを引っ張り上げられた。
「ひゃあん……! うふぅん……。渉さんのイジワル……」
「イジワルなんかじゃないよ。感じる朋花のせいだろ?」
「だって……。渉さんだから、感じるの……」
ベッドの中で彼に寄り添いながら言うと、優しく微笑まれた。
「それは、俺も同じだよ。朋花だから、こうやって触れたい」
渉さんはそっと、抱きしめてくれる。彼の愛撫も好きだけれど、こんな風に穏やかに包み込まれるのも大好きだった。
「渉さん……。嬉しい」
「だから、不安に思う必要はない。今日の昼も、不安そうに俺を見てただろう?」
「気づいていたの?」
目を丸くする私に、彼はクスっとした。
「あたり前。お前が思うよりずっと、俺は見てるから」
「だから、あんな大胆なことをしたの……?」
もちろんそれは、ランチでのことを言っている。すると、渉さんは小さく頷き、少し眉間にシワを作った。
「まさか、朋花は俺が見境なく欲情してると思ってた?」
「えっ⁉ そんなことはないよ」
と答えつつ、実は少しそう思っていた。だって渉さんってば、社内でも遠慮なくセックスに持ち込むのだから。
「ふぅん……。そうは見えないけど」
渉さんは疑いの眼差しを向けながら、メガネを外しサイドテーブルへ置いた。彼がメガネを外すということは、もう寝るのかもしれない。
私は誤魔化すように、笑いを作った。
「考え過ぎよ。渉さんが、私のことを想ってくれていることは、ちゃんと分かってるから」
「そうか?」
「そうよ」
まだ疑う彼の胸に、顔を埋めてみた。
「だから、もう寝ようよ。渉さん、疲れたでしょ?」
仕事も忙しいのに、私にまで気を回して、さらにあんなに激しいセックスをしてくれるのだから。すると、彼は再び私の唇を塞いだ。
「まさか。まだまだ寝ないよ。朋花に、俺の想いをちゃんと分かってもらうまでは」
「えっ⁉ 分かってるよ。大丈夫」
驚きを隠せない私に、彼はニヤッとする。そして、手をショーツの下へ忍ばせた。
「あ、なんだ。朋花だって、まだ寝る気はないんじゃないか」
秘部に指を入れられると、くちゅと蜜の音がした。
「そ、そんなんじゃないもん。渉さんが、触るからよ……」
「嘘つくな。触ったときはもう、濡れていたじゃないか」
楽しそうな顔をしながら、彼の指が一本、二本そして三本と膣内に入っていく。ショーツが蜜で濡れ始め、私の息は乱れていった。
「んはぁ……。渉さん……。本当に、またするの?」
「本当だよ。朋花はよくそれを聞くけど、俺は冗談でこんな風にお前に触れない」
「だって、メガネを外したから……」
彼の指づかいに、蜜は止まることなく溢れていく。指を抜き差ししながら、花弁を指の腹で擦った。
「んふぅ……。んぁ……。はぁん……」
堪らず喘ぎ声を出していると、耳元でゆっくり囁かれた。
「メガネを外したのは、お前とセックスするためだよ」
ショーツを脱がせた渉さんは、遠慮なく覆い被さり、太い肉棒を膣内に押し込む。つい一時間ほど前に、セックスを終えたばかりとは思えないほどに、彼の屹立は硬く大きくなっていた。
「んくぅ……。はぁ……。はぁ……」
膣の最奥を突かれるたび、体が跳ねる。彼は腰を振りながら、両乳房を弄っていた。
「朋花……」
渉さんは体を曲げると、乳房をくわえるように口に含んだ。唇で甘噛みをしながら、舌で先端を突いていく。その間にも、膣内の屹立は遠慮なく動き回っていた。
「んあぁ……。ふぅん……」
両乳房を交互にくわえられ、身をよじるほどの快感が体の中心を走っていく。彼の腰の動きとともに、膣で擦れる屹立の粘着音が部屋中に響いた。
「さすがに、もうイキそう……」
呼吸を荒くした渉さんは、膝立ちをして私の腰を持ち上げると、より一層強く肉棒を打ち付けてくる。
「はぁ……。はぁ……。あんっ……。んくぅ……」
太ももが激しくぶつかり合ったあと、彼の動きが一瞬止まり、私たちは同時に果てていた。
<最終話へ>
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