「渉さんって、本当に凄いのね。今ので、三回目なのに」
ミネラルウォーターで喉を潤したあと、私はベッドへ倒れ込んだ。さすがに腰が痛くて、喉も枯れている。だけど、渉さんのほうは涼しげな顔で、ベッドに座った。
「それを言うなら、朋花だって同じじゃないか。よく、俺についてきたな」
含んだような笑みを見せられ、軽く睨み返す。すると、クックと笑われてしまった。
「怒った顔も可愛いな、朋花は」
「もう……。これでも、一応ムッとしたんだけど」
「そのムッとした顔が可愛いんだよ。そういう顔をされると、また押し倒したくなるな」
「ええっ!?」
思わず起き上がると、渉さんは声に出して笑った。
「冗談だよ、冗談。さすがに、もうキツイな。明日の朝までは、無理だ」
「じゅうぶんだと思うけど……。ねえ、渉さん。明日から、水城さんはどんな態度を取るだろうね」
冷静になると思い出すのは、彼女のこと。渉さんが好きな人がいると言っても、まだ引く様子はなかったから。すると、彼も笑顔を消して神妙な面持ちになった。
「そのことなんだが、社内に俺たちのことを公表しないか?」
「え? でも、いいの?」
仕事に影響があるからということと、どちらかが異動になるからという理由で、今まで黙っていたのに、どういう心境の変化があったのだろう。
「俺はいいよ。あとは、お前さえよければ」
「私は、大丈夫。でも、どうして急に?」
怪訝な顔で尋ねると、彼に優しく手を握られた。
「朋花とは、真剣に付き合っているつもりだ。だから、それを周りに分かってもらうためにも、話したほうがいいと思ったんだよ。異動で離れるのは、寂しいけどな」
「渉さん……。そこまで考えてくれていたなんて、嬉しい」
「当然だろう。俺は、これから先の未来を、ずっとお前と歩みたいと思ってる。もし、社内で嫌がらせをされるなんてことになったら、俺が堂々とお前を守るから」
額にキスを落とされ、胸は最高潮に高鳴った。
「それって、つまり……」
“結婚”という言葉が、気恥ずかしくて口にできない。渉さんから言ってもらえるかと、期待しながら待っていると、彼はベッドに仰向けに寝転んだ。
「まさか、こんなセックスのあとで言えることじゃないから。また、改めて朋花に話すよ」
「ええっ? そんな……。今聞きたいのに?」
じれったさを感じながら、彼の胸に手を置き見下ろす。すると、彼は私の頭に手を置き、自分のほうへ引き寄せた。顔が至近距離に近づいて、ドキッとする。
「だめ。俺なりに、いろいろ考えてるから。それより、もう寝るか。明日も、お互い会社だ」
「分かった……。我慢する」
唇を尖らせる私に、渉さんは目を細めた。
「じゃあ、代わりになにかするよ。なにがいい?」
「なにかって……。渉さん、きっとセックスのことしか頭にないもん」
拗ねたように言い放ち、彼に背を向けた。子供じみた態度だと分かっているけれど、これで渉さんがどんな反応をするのか見てみたい。
ドキドキしながら待っていると、ぎゅっと背後から抱きしめられた。
「そんなことはない……。と言いたいところだけど、朋花の言うとおりだな」
「ちょ、ちょっと渉さん?」
まさか、本当に私とはセックスのことしか頭にないの? 頬を膨らませると、彼は楽しそうに微笑んだ。
「だって、そうだろ。お前とセックスできるのは、俺しかいないんだ。俺だけの特権」
優しく唇に触れられ、小さく息を吐いた。
「ホントに、渉さんには負けちゃう。それなら、この心のもどかしさを取ってほしいな」
「どうすればいい?」
渉さんは、きっと私の答えを分かって言っている。悔しいから、私も少しイジワルしてみよう。
「さあ? それは、渉さんが考えてね。おやすみなさい」
わざとらしく目を閉じると、耳元でそっと囁かれた。
「分かった。じゃあ、朝になったら朋花の体に聞くことにするよ」
そう言った渉さんは、明かりを消すと布団にもぐり込み、私を抱きしめて眠りについた。朝まであと数時間。きっと私は、彼の愛撫で目を覚ます──。
<おわり>
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