【官能小説】触れられると感じちゃう…!イケメンエリートな彼に翻弄されっぱなしの私 -第8話-

官能小説

 

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「渉さんって、本当に凄いのね。今ので、三回目なのに」

ミネラルウォーターで喉を潤したあと、私はベッドへ倒れ込んだ。さすがに腰が痛くて、喉も枯れている。だけど、渉さんのほうは涼しげな顔で、ベッドに座った。

「それを言うなら、朋花だって同じじゃないか。よく、俺についてきたな」

含んだような笑みを見せられ、軽く睨み返す。すると、クックと笑われてしまった。

「怒った顔も可愛いな、朋花は」

「もう……。これでも、一応ムッとしたんだけど」

「そのムッとした顔が可愛いんだよ。そういう顔をされると、また押し倒したくなるな」

「ええっ!?

思わず起き上がると、渉さんは声に出して笑った。

「冗談だよ、冗談。さすがに、もうキツイな。明日の朝までは、無理だ」

「じゅうぶんだと思うけど……。ねえ、渉さん。明日から、水城さんはどんな態度を取るだろうね」

冷静になると思い出すのは、彼女のこと。渉さんが好きな人がいると言っても、まだ引く様子はなかったから。すると、彼も笑顔を消して神妙な面持ちになった。

「そのことなんだが、社内に俺たちのことを公表しないか?」

「え? でも、いいの?」

仕事に影響があるからということと、どちらかが異動になるからという理由で、今まで黙っていたのに、どういう心境の変化があったのだろう。

「俺はいいよ。あとは、お前さえよければ」

「私は、大丈夫。でも、どうして急に?」

怪訝な顔で尋ねると、彼に優しく手を握られた。

「朋花とは、真剣に付き合っているつもりだ。だから、それを周りに分かってもらうためにも、話したほうがいいと思ったんだよ。異動で離れるのは、寂しいけどな」

「渉さん……。そこまで考えてくれていたなんて、嬉しい」

「当然だろう。俺は、これから先の未来を、ずっとお前と歩みたいと思ってる。もし、社内で嫌がらせをされるなんてことになったら、俺が堂々とお前を守るから」

額にキスを落とされ、胸は最高潮に高鳴った。

「それって、つまり……」

“結婚”という言葉が、気恥ずかしくて口にできない。渉さんから言ってもらえるかと、期待しながら待っていると、彼はベッドに仰向けに寝転んだ。

「まさか、こんなセックスのあとで言えることじゃないから。また、改めて朋花に話すよ」

「ええっ? そんな……。今聞きたいのに?」

じれったさを感じながら、彼の胸に手を置き見下ろす。すると、彼は私の頭に手を置き、自分のほうへ引き寄せた。顔が至近距離に近づいて、ドキッとする。

「だめ。俺なりに、いろいろ考えてるから。それより、もう寝るか。明日も、お互い会社だ」

「分かった……。我慢する」

唇を尖らせる私に、渉さんは目を細めた。

「じゃあ、代わりになにかするよ。なにがいい?」

「なにかって……。渉さん、きっとセックスのことしか頭にないもん」

拗ねたように言い放ち、彼に背を向けた。子供じみた態度だと分かっているけれど、これで渉さんがどんな反応をするのか見てみたい。

ドキドキしながら待っていると、ぎゅっと背後から抱きしめられた。

「そんなことはない……。と言いたいところだけど、朋花の言うとおりだな」

「ちょ、ちょっと渉さん?」

まさか、本当に私とはセックスのことしか頭にないの? 頬を膨らませると、彼は楽しそうに微笑んだ。

「だって、そうだろ。お前とセックスできるのは、俺しかいないんだ。俺だけの特権」

優しく唇に触れられ、小さく息を吐いた。

「ホントに、渉さんには負けちゃう。それなら、この心のもどかしさを取ってほしいな」

「どうすればいい?」

渉さんは、きっと私の答えを分かって言っている。悔しいから、私も少しイジワルしてみよう。

「さあ? それは、渉さんが考えてね。おやすみなさい」

わざとらしく目を閉じると、耳元でそっと囁かれた。

「分かった。じゃあ、朝になったら朋花の体に聞くことにするよ」

そう言った渉さんは、明かりを消すと布団にもぐり込み、私を抱きしめて眠りについた。朝まであと数時間。きっと私は、彼の愛撫で目を覚ます──。

 

<おわり>

 

 

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