「んんっ……」
夢も見ないほどの眠りの中、異変に気付いたのは口の中だった。
ねっとりとした舌が、姫奈子の口の中で暴れまくっていたのだ。
(右京さん、仕事が終わったのかしら?)
ワインと気疲れのせいか、姫奈子の意識は現実に戻っても肉体は自ら動こうとしない。
それでも構わないのか、姫奈子の口の中の味に夢中になっているのか、激しいディープキスは止まらない。
相手からもアルコールの香りと味がするので、姫奈子は素直に身体を任せてしまう。
舌と舌が絡み合い、擦り合う。互いの唾液が姫奈子の口の中で混ざり合い、ピチャピチャと淫らな濡れた音を響かせる。
姫奈子より分厚い舌は遠慮なしに頬の内側や上顎の部分、歯茎までもまんべんなく丁寧に、それでいて情熱的に蹂躙していく。
相手の激しく乱れる息が姫奈子の顔をくすぐると、どれだけ興奮しているのかが分かり、寝たふりをしながらも顔が熱くなってしまう。
(右京さんったら、随分と激しいキスをするのね……。ワインのせいかな?)
右京は酒豪だった記憶があるものの、今夜飲んだワインはアルコールが強かった気がした。
うっすらと眼を開けると、薄暗闇の中で見知った男の姿形が映る。
(やっぱり右京さんだわ。今更起きて反応するのも恥ずかしいし……、このままでも良いかな)
アルコールが全身に回ったのか身体が熱く重く、改めて眼を覚まして相手をするというのが何となく面倒に思えてしまう。
しかし姫奈子は自分の下半身が熱く潤むのを感じて、思考とは裏腹に覚醒していく意識をハッキリと感じていた。
口の中を充分に味わい尽くして満足したのか、舌は唾液の糸を引きながら抜かれる。しかしすぐに、キスのし過ぎでぽってりと腫れた姫奈子の唇をペロッと名残惜し気に舐めた。
唾液まみれの舌は、姫奈子の首筋を舐め始める、触れられると弱い首を、ねっとりとした舌に執拗に舐められると、肉体は姫奈子の意思を無視してビクビクっと反応してしまう。
「んんっふぅ……。はあっ……!」
声を抑えようにも漏れ出てしまい、そのせいで余計に眼を覚ましづらくなる。
(ううっ、恥ずかしいよぉ!)
男の両手は遠慮なく、姫奈子の胸の二つの膨らみを鷲掴みにした。
この邸に引っ越してすぐに夫からプレゼントされたピンク色でシルクのランジェリーネグリジェは、はじめのうちはセクシー過ぎて着るのが恥ずかしかったものの、右京が喜んでくれるなら――と今では着慣れたものである。
男の両手はブラジャーをしていない柔らかな胸の感触を揉んで楽しんだ後、姫奈子の許可無くネグリジェの肩紐を下ろして、白い胸元をあらわにする。
ほのかに光るベッドサイドランプの明かりに照らされた姫奈子の上半身は、幻想的な美しさだった。
健康的で女性らしい肌に鎖骨、Dカップの膨らみとピンク色の花のつぼみのような乳首は男の欲望を掻き立てる魅力がある。
男の熱い視線は姫奈子の胸に注がれて、ゴクッと喉を鳴らす音が静かな部屋に響いた。そしてたまらず、男は姫奈子の左の乳首に勢いよく食いつく。熱い口の中に入れられた乳首は、ねっとりと舌で舐め転がされる。
「あぁっ……、はぁんっ……! んふぅ……」
できるだけ声を上げないように頑張っても、漏れる甘い声は欲情を含んでいた。
ディープキスで敏感になりつつあった身体は、胸への愛撫で性欲が目覚めていく。
左胸は口淫、右胸は手で揉まれると、どうしても身体はビクビクっと反応してしまうのだ。
性感帯となった二つの胸への愛撫は、いつもの夫の行為より激しくて熱い。まるでお腹を空かせた赤ん坊のように、無我夢中で姫奈子の胸を求めている。
それが余計に姫奈子を昂らせるのだ。
左の乳首が唾液まみれされたあと、口の中から解放されると、眼を閉じててもピンっと硬く勃ち上がっていることが分かった。
すると今度は右の乳首に同じようにしゃぶりつく。乳首が完全に勃ち上がるほど舌で舐めた後は、ちゅうちゅうぅっと音が鳴るほど強く吸いつかれた。
「はううっ……! やんっ、あぁんっ……!」
ジワジワと股間が濡れていくのを感じて、姫奈子は太ももをモジモジと擦り合わせる。
そんな様子に気付いたのか、男は姫奈子から離れた。
突然解放された胸は、男によって好き勝手にいじられた形跡を濃く残しているが、それが余計に姫奈子の女としての美しさを引き立てている。
男は次に、何の躊躇いもなく姫奈子が穿いているピンク色のパンティーを脱がせてしまう。
濡れ始めた女性器が、外気を感じて少しだけスース―する。
男は姫奈子の細い両足首を両手でガッシリと掴むと、そのままパカッと開いた。
「あっ……!」
これには恥ずかしさと驚きのあまり、姫奈子は眼を開けて上半身を軽く起こす。
だが男は構わず短いスカートの中に頭を突っ込んで、陰唇を指で左右に開く。そして吐息を感じたかと思うと、愛液で濡れた割れ目をツーっと一気に舐め上げられる。
「きゃんっ! あっ、右京さん……。はっ恥ずかしいわ……」
今までソコを舐められたことがないと言えば、嘘になる。
しかし慣れた行為ではなかった為に、手を伸ばして右京を止めようとした。
だがスカートで頭が隠れているせいか、男はそのままペロペロと舐め始めてしまう。
「ああっん! やんっ! はっ激しい!」
思わず伸ばした手が止まり、甘い声を上げてしまうほど女性器への愛撫は凄かった。
唾液にまみれているとはいえ、ザラザラした舌の表面の部分が、蜜口からクリトリスまで上下に動いて舐めていくのだ。熱く潤んだ蜜口はトロトロと愛液を滲み出し、クリトリスは皮が剥けて硬く勃起していく。
男の唾液と姫奈子の愛液で陰毛までグッショリ濡れると、身体中の熱が下半身に溜まっていくような気がした。
知らず知らずのうちに身体中がピクピクっと動き、感じていることが隠せない。
男が吐き出す熱い息にすら快感を得てしまい、姫奈子は熱くなる顔を両手で覆って隠してしまう。
やがて満足したのか、男は女性器への口淫を止めた。そして男は姫奈子の両足を持ち上げ、熟れた蜜口に熱い先端を当てると、一気にグッと中に入ってくる。
「きゃああんっ! うっ右京さん、そんなっいきなり……」
男は姫奈子の意見など聞く気が無いようで、遠慮も躊躇いもなく子宮へ向けて一直線にペニスを押し入れていく。すでに興奮状態だったペニスは、熱く潤んだ肉壁をゴリゴリと擦り上げていった。
快感から逃れるために腰をずり上げようとすると、男の手が先に動き、腰を両手でがっしりと掴まれて固定されてしまう。
挿入された肉棒は、先端部分が子宮口に当たっても進むことを止めず、そのままグイーッと子宮を押し上げてきた。
「あはあっ……! やっ、子宮がキュンキュンするぅ!」
激しい愛撫のせいで、すでに姫奈子の肉体は男を喜んで受け入れられる状態になっている。多少手荒くされても、すぐに快楽へ変わってしまうほどに――。
<つづく>
次回は4月13日(土)20時に更新!
ついに一線を越えてしまった二人。今後一体どうなってしまうのか…!
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