美紀の足を割って、潤が腰をいれる。ストッキングを履いているとはいえ、スカートでこんな態勢にされると、下着が見えてしまう。
「恥ずかしい……」
「大丈夫だよ……」
履いていたパンプスが地面に落ちた。潤は美紀の ブラウスに手をかけると、胸元までたくしあげ、ブラジャーをむき出しにする。ピンクのレースがついた下着の上から、潤は乳房をそっと手のひらで包んだ。
ゆっくり、そしてやわやわともみしだく。美紀は乱れる息を隠せなくなるが、同時にこんな間接的な触れ合いでは足りないと感じていた。
潤と過ごしたあの夜に感じた、ダイレクトな愛撫を思い出す。もっと強く、激しく触って欲しいと、体が彼を求めていた。
「潤くん……」
「どこ、触ってほしい?」
彼は小さく笑みを浮かべながら、意地悪なセリフで美紀を攻める。いつもは優しくて、美紀がお願いしたことにはすぐに応えてくれる後輩。でもセックスをしているときは、どこか強引で意地悪だ。美紀に恥ずかしいことをさせたいのだろうか。
「ここ……」
美紀は素直に彼の手を胸に当て、おねだりをした。直接胸をさわってほしいという感情が抑えきれなかったのだ。するとブラジャーをずらされ、乳房があらわになる。そして彼が胸の突起を口に含むと、求めていた快感に美紀は思わず声を出してしまいそうになった。
会議室という場所で、胸をいじられ快感をむさぼるという痴態にも、興奮しているのかもしれない。
突起を含んだ潤は、舌でその先端を転がした。美紀は手で口をおさえて必死に声を我慢する。 乳房を揉まれるのも気持ちはいいが、乳首の比ではない。
美紀は乳首が弱いようで、指で触られるだけで感じてしまう。口に含まれ、あそばれると、強い快感に頭が痺れてしまうようだった。
「潤くん、気持ちいい……」
「美紀、色っぽいよ」
潤は口に含んでいない方の突起を指先で撫でた。指の腹でそっと押されると、突起がかたくなってしまう。感じている証拠だ。潤はその感触を楽しむように、何度もそこを指の腹でこねて転がす。美紀は両胸をしつこく愛撫されて、すっかり足に力が入らなくなってしまった。
「美紀、こっちも触っていい?」
潤はスカートの奥の秘部をそっと指で撫でた。そこは胸の刺激により、すっかり湿ってしまっている。きっと中を触られたら、ぐっちょりと濡れているだろう。
「ストッキングは破かないで」
勢いに任せて触れられたら、はいているストッキングが破れてしまう。午後の仕事に支障が出てしまうため、美紀は自分で下ろすことにした。潤も興奮しているようで、その様子を食入るように眺めている。
視線を感じるだけでいやらしい気持ちになってしまう美紀は、少しじらすようにストッキングをゆっくり脱ぎ、床にそれを落とした。
「美紀、こっちは脱がないんだ?」
ストッキングは脱いだが、さすがに下着を脱ぐことはできなかった。自分からストッキングを脱ぎ、スカートをたくしあげ、足を広げている。これだけで十分恥ずかしい行為なのに、と美紀は潤を軽くにらみつけた。
すると潤は喉の奥でくっと笑ってから、美紀に覆い被さる。軽く胸を吸ったあと、下着ごしにやわらかい秘部を指で押された。すっかり愛液で濡れたそこは、潤の指をしっとり濡らす。
「なかは、挿れないで」
「わかってるよ」
その先を期待してしまってはいるものの、さすがにここで挿入することはできないと美紀は思った。声を我慢できないと自分でもわかっていたからだ。理性がまだ少しは残っているようだ。
「指はいれてもいい?」
「うん……触って?」
美紀がそうねだると、潤は焦らさずに指で秘部をさわってくれる。美紀が感じるところを覚えていたようで、しっとり濡れた花弁を指でこすられると、力が抜けてしまいそうになる。
そうして何度もそこを刺激されると、愛液が奥からこぼれ、潤の指が濡れていく。
潤は愛液でぐっちょりと濡れた指で奥を貫いた。細くて長い潤の指が中をかき回すと、息をのむほどの快感が押し寄せる。美紀の感じるスポットを何度も押しては叩き、愛液がどんどん滴るのが自分でもわかった。
「だめ、それ以上いじらないで」
「美紀、感じて」
「あ、はあ……声…でちゃう」
美紀は自分の手を口にあて、声が出ないよう必死に抵抗するが、潤の指はなおも美紀をせめたてる。徐々に指の動きがはやくなり、美紀の呼吸がどんどん荒くなっていく。気がつけば抵抗を忘れ、その愛撫に夢中になっていた。
「や、イッちゃう……」
ビクッと体がしなるようにうごめくと、潤の指を絡める秘部が収縮を繰り返す。愛液があふれ、美紀は訪れる甘いしびれに意識を飛ばしてしまいそうだった。美紀が体の力を抜いたのがわかり、潤は指を奥から抜くと、美紀に優しくキスをした。
「もう、潤くん。こんなことするなんて!」
ストッキングを履きながら、美紀は拗ねたように潤を見つめた。潤は美紀に触れるだけで、それ以上は何もしてこなかった。さすがに昼間の会議室で最後までするわけにはいかないと思ったのだろう。
美紀は少し残念に思っている自分がいるのを自覚した。もし潤にあのまま強引に迫られたら、会議室で抱き合ってしまったかもしれない。
「ごめんなさい。ちょっと触ってみたくなっちゃって」
素直に謝る潤。そんな屈託ない表情が、さきほどの意地悪な潤とは違って戸惑ってしまう。乱れた服を直して、スカートのシワがついていないかと確認した。
ストッキングは幸い破れてはいなかった。気になるのは濡れた下着であるが、これは仕方がないと諦めた。そんな美紀に対して、潤は涼しい顔をしている。
「もう、口についてるわよ」
潤に近づいて、唇をハンカチでぬぐうと、ハンカチに口紅とグロスがつく。すると、美紀の手首を潤が優しく握った。
「ありがとうございます。先輩怒ってます?」
「怒ってる……って言ったら?」
「じゃあ、今夜美味しいものごちそうします」
「うーん、どうしようかな?」
しっかりはしている潤だが、人がいないときに甘えるような仕草をするところは学生時代から変わらない。可愛い後輩であるので、悪い気分はしなかった。
「この続き、したいなって言ったらどうします?」
「もう、全然反省してないじゃない」
潤のペースにすっかり乗せられてはいたが、触れ合った後のじゃれ合う会話も心地よく感じる。そうして二人は、お昼休みが終わるまで、会議室で甘い時間を過ごしていた。
<つづく>
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